ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
ペリステライト
2012/09/18/Tuesday
【Peristerite】Tanzania
鉱物名:フェルスパー
宝石名:ペリステライト
英名:Peristerite
和名:-
モース硬度:6-6.5
劈開:あり(※詳細不明)
産地:スリランカ、タンザニア、ミャンマー、マリetc...
流通名:ペリステライト
ピジョン・ストーン(ペリステリズムに関連)
ブルー・ムーンストーン(誤称)
アフリカンムーンストーン(誤称)
カナダ・ムーンストーン(誤称)
スリランカ・ムーンストーン(誤称)
処理:透明度の改善を目的とした透明剤含浸(一般的)
ペリステライトはフェルスパーグループのアルバイトとオリゴクレースの固溶体。
ラメラ構造を持ち、白~透明のボディカラーに、若干の真珠光沢のある白~青のシラーが見られます。
ペリステライト特有のシラーは、鳩の首が動く際に見られる光沢に似ていることから「ペリステリズム」と呼ばれています。
オーソクレースとアルバイトの固溶体であるムーンストーンに見た目が近く、青いシラーが多いことから、稀少な「ブルー・ムーンストーン」にあやかった誤称が用いられています。
本来の「ブルー・ムーンストーン」は産出量が非常に少なく高価なため、現在大量に流通している「ブルー・ムーンストーン」のほとんどはペリステライトかラブラドライトであると言えます。実際、鑑別結果では「ペリステライト」と判明したものであっても「ブルー・ムーンストーン」として販売するケースが多くあります。
また、近年はブルー・ムーンストーンだけでなく、白いシラーのムーンストーンの流通量も減少しているため、市場ではペリステライトがムーンストーンの代用品として定着しつつあるようです。
【Peristerite】Mali
*オレンジ色のペリステライト*
マリ共和国産の、青いシラーの出る「オレンジ・ムーンストーン」として購入した石。
アデュラレッセンスというよりペリステリズムっぽい…と思っていたところ、やはり鑑別では「ペリステライト」と出たとのこと。
しかし疑問に思うのは、オレンジ色にブルーシラーの「ムーンストーン」はこのタンブル一種類だけで、ルースやビーズなど他の形のものを一切見掛けないこと。
いくらレアとはいえ(レアだからこそ)安価なタンブルにだけ加工され、ルースのひとつも見掛けないというのは不自然なのでは?
宝石・鉱物関係のディーラーさん何軒かに訊ねてみるも、まったく見たことがない、染めではないか?との見解。
海外サイトなどを見ていると、ラブラドライトやペリステライトをショッキングピンク等に染めたらしきルースを目にしますし、確かに疑わしいところ。
しかし鑑別で出ないとしたら、放射線照射かもしれません。(オレンジ~赤の長石は照射の影響)
天然色なのか、処理石なのか。今のところ詳細不明です。
ムーンストーン-月長石
2012/09/17/Monday
【Moonstone】Sri Lanka
鉱物名:フェルスパー
宝石名:ムーンストーン
英名:Moonstone
和名:月長石
モース硬度:6-6.5
劈開:明瞭
産地:スリランカ、インド、ミャンマーetc...
処理:-
流通名:ムーンストーン
月長石
ブルー・ムーンストーン(青いアデュラレッセンスを示す)
ロイヤルブルー・ムーンストーン(特に青いアデュラレッセンスを示す)
レインボー・ムーンストーン(ラブラドライトの誤称)
アデュラリアン・ムーンストーン
ふわりと白い光を浮かべるムーンストーン。写真はスリランカ産のものです。
ムーンストーンは独立した鉱物ではなく、フェルスパーに属する2種類の鉱物(オーソクレースとアルバイト)から出来ています。
ムーンストーンの光はアデュラレッセンス(ムーンストーン特有のシラー)と呼ばれ、オーソクレースとアルバイトが交互に重なったラメラ構造によって生まれます。
【Green Moonstone】Madagascar
【Orange Moonstone】India
ムーンストーンには白、灰色、緑、オレンジ等の色がありますが、アデュラレッセンスの色はすべて白もしくは青色をしています。
【Moonstone】India
*アデュラレッセンスとアデュラリア*
アデュラレッセンスという言葉は、スイスアルプスのアデュラー山で発見された「アデュラリア(氷長石)」に因みます。
アデュラリアは白~透明のオーソクレースで、ムーンストーンと成分は近いのですが、ラメラ構造を持たないためシラーを示さないとのこと。
アルプスで産出する透明なオーソクレースは、ムーンストーンとの区別なく全て「アデュラリア」もしくはその変種として扱われており、ムーンストーンのシラーも「アデュラリア」の特殊効果として捉えられていたため、アデュラレッセンスと名付けられたようです。
もしアデュラリアに本当にシラーが出ないのであれば、「アデュラリア」や「アデュラリアン・ムーンストーン」という名前で流通している美しいシラーを示す石は、やはりアデュラリアではなく、アルプス産のムーンストーンである可能性があります。
それとも、シラーを示すアデュラリアも存在するということなのでしょうか?
「ムーンストーン」は区別が曖昧にされがちなだけに、真相は謎です。
*ブルー・ムーンストーンと類似石*
青い光を浮かべる「ブルー・ムーンストーン」として流通している石には、幾つかの種類があります。ごく一部は本来の「ブルー・ムーンストーン」ですが、ほとんどはムーンストーンとは別の類似石です。
【Blue Moonstone】Myanmar
・ブルー・ムーンストーン青いアデュラレッセンスを示すムーンストーン。
白いシラーに比べてオーソクレースとアルバイトの層が薄く、レイリー散乱(空が青く見える仕組みと同じ)によって青い光が浮かびます。
スリランカ産・ミャンマー産の「ブルー・ムーンストーン」と、青みの特に強いインド産・マダガスカル産の「ロイヤルブルー・ムーンストーン」があります。
非常に稀少で高価なためほとんど流通しておらず、入手の可能性は極めて低いようです。
写真はミャンマー産ムーンストーンとして購入したルース。
青白いシラーが大変美しいのですが…真偽や如何に。
【Peristerite】Tanzania
・ペリステライト
同じくフェルスパーグループのアルバイトとオリゴクレースから成る石。
ムーンストーンとは組成の違う別の石ですが、大変よく似ています。
シラーは白~青で、若干の真珠光沢があり、鳩の首が動いたときの光沢に似ていることから「ペリステリズム」と呼ばれています。
現在「ブルー・ムーンストーン」あるいは単に「ムーンストーン」として流通している石のうち、青~白いシラーを示すものはまずペリステライトと考えられます。
【White Labradorite】India
・ホワイト・ラブラドライト
フェルスパーグループのアノーサイトとアルバイトから成るラブラドライトのうち、白~透明色のものが「ブルー・ムーンストーン」として流通しています。
ペリステライトが大量に流通するより以前は、ホワイトラブラドライトが「ブルームーンストーン」の主流でした。
鮮やかな青のラブラドレッセンスを示すものは「ロイヤルブルー・ムーンストーン」の代用品とされます。
ホワイトラブラドライトのシラーはラブラドレッセンスと呼ばれ、青、緑、赤、黄色などがあります。
青いシラーだけでは判別がつかなくとも、角度によって青以外の色が見られた場合は間違いなくラブラドライトであると言えます。
プロフィール
HN:
Yati
HP:
性別:
女性
職業:
アクセサリー作家
趣味:
写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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