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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
スケルタル・アメシスト-骸骨紫水晶-2
アメシスト・エレスチャル・クォーツ
【Skeletal Amethyst】Brazil
  
鉱物名:クォーツ
宝石名:アメシスト
英名:Amethyst
和名:紫水晶
モース硬度:7
劈開:不明瞭
産地:ブラジル

処理:-

流通名:スケルタル・アメシスト
     エレスチャル・アメシスト(誤称を含む。スーパーセブンと関連)
     スーパーセブン(誤称を含む)
     ウィンドウ・クォーツ(窓の意)
     フェンスター・クォーツ(窓の意)
     骸骨紫水晶
 

ブラジル産「エレスチャル・アメシスト」のポリッシュとして購入。
ただしこれもエレスチャルというよりスケルタル・クォーツ(骸骨水晶)で、結晶面の凹みと内部に白~茶色の粘土鉱物のようなものが付着しています。
元の形が分からない為、これがエレスチャル(複数の結晶からなるごつごつとした複雑な形)の一部であったのか、元々スケルタル要素のみであったのかは不明です。
あるいはゲーサイトやレピドクロサイト等特定の内包物を含む水晶を「エレスチャル」と誤称する傾向が強いので、それに則っての呼称かもしれません。
 
【Skeletal Amethyst】Brazil
  
珪酸濃度の高い環境下で水晶が急速に結晶する際、成長の早い陵角に対し面の部分が取り残される形となり、結晶面の中心に髑髏の窪み又は窓のような凹みが生まれます。
 
【Skeletal Amethyst】Brazil
赤い小さな結晶はレピドクロサイト。右は底面から見た様子。
 
結晶自体の透明度は高く、ロック・クリスタルの部分とアメシストの部分、更に全体に散りばめられるように内包されたレピドクロサイト、奥の方には細長く伸びたゲーサイト結晶も見て取れます。
裏から見ると中心のアメシストがややトラピッチェ気味になっているのが分かり、こういう原石のままでは埋もれがちな個性がはっきりと出てくるのがポリッシュの良いところ。
ルーペで見るのが楽しくて仕方がありません。
  
【Skeletal Amethyst】Brazil
中の空洞のひとつにくっきりと丸い気泡。
わずかな水が取り残されているのがわかる。
 
茶色い鉱物の成長によるものと思われるクラックに紛れて内部にはいくつかの小さな空洞があり、その中のひとつに水入りを見つけてガッツポーズからの激写。
通常、水入りは付加価値をプラスされ明確に目印がつけられているものが多いですが、これはクラックが多いのでひょっとしたら気付かれなかったのかもしれません。

ジャカレー・クォーツ-鰐水晶
【Jacare Quartz】Brazil
 
鉱物名:クォーツ
宝石名:ロック・クリスタル
英名:Rock Crystal
和名:水晶
モース硬度:7
劈開:不明瞭
産地:ブラジル

処理:-

流通名:ジャカレー・クォーツ
     アリゲーター・クォーツ
     鰐水晶
     エレスチャル・クォーツ(定義による)

 
ブラジル産のロック・クリスタル。
同一の方向にいくつもの結晶が並ぶ平行連晶で、鰐の背中のようにボコボコとした姿から「ジャカレー(ポルトガル語で鰐)クォーツ」「アリゲーター・クォーツ」と呼ばれるもの。名付けはブラジルの鉱山ですが、世界中から産出し、スモーキー・クォーツやアメシストなどにも見られます。
複雑な結晶の集合体であることからエレスチャルと一纏めに扱われている場合もあり、あまりしっかりと区別はされていない様子。
※エレスチャル:パワーストーン関係のコマーシャルネームで、明確な定義は定められていないが凡そ「複数の結晶からなるごつごつとした複雑な形」を指す。内包物とは無関係。
 
【Jacare Quartz】Brazil
  
幾つもの結晶が同一の軸を共有し、合体したまま成長する為、水や気泡、多種鉱物を内包し更に複雑な見た目になるものも多く、見た目の大変楽しい水晶ですが、結晶の揃う原因ははっきりと解明されていないようです。
レピドクロサイト in シトリン-鱗鉄鉱入黄水晶
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
  
鉱物名:クォーツ
宝石名:レピドクロサイト in シトリン
英名:Lepidocrocite in Citrine
和名:鱗鉄鉱入黄水晶
モース硬度:7(水晶)
劈開:不明瞭
産地:マダガスカル

処理:?

流通名:エレスチャル・シトリン(誤称を含む。スーパーセブンと関連)
 
 
レピドクロサイト(鱗鉄鉱)が内包されたマダガスカル産シトリンです。
店頭での表記は「エレスチャルシトリン」となっておりましたが、エレスチャルという名前はそもそもスケルタルのように「ごつごつとした形の結晶の水晶」を示すもので、形に価値がある以上、画像のように磨いてしまう理由がありません。恐らくは流通現場で生じた誤称である「特定の内包物を含む水晶」の意で使用されているものと推測されます。正しい意味でのエレスチャル・シトリンはミナス・ジェライス産のものを見かけますが、見た目は全く異なります。
 
 
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
 
レピドクロサイトは水酸化鉄の一種で、結晶は鱗状~針状で色は赤~黒。これを多量に含む水晶(レピドクロサイトinクォーツ)はその見た目から「ファイア・クォーツ」「ハーレクイン・クォーツ」とも呼ばれますが、上記のような「エレスチャル」と誤称される水晶やアメシストの一種でもあります。ただ、シトリンに含まれるものを見たのはこれが初めてでしたし、あまり流通してもいないようです。
 
 
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
   
*加熱シトリン?*
シトリンはポピュラーな宝石ですが、実のところ天然のシトリンというものは非常に希少で、非加熱、天然色として保証されるもの以外ほとんどの流通品が、アメシストを加熱し作られる「バーント・アメシスト」、スモーキー・クォーツを照射・加熱し作られる「バーント・スモーキークォーツ」、もしくは科学組織と結晶構造を人工的に再現した合成シトリンとなっています。
アメシストからシトリンが作られる仕組みは、発色要因である鉄イオンのFe4+とFe2+が、加熱によりFe3+に変化することで紫から黄色の発色へ変わる為。
レピドクロサイトを内包するアメシストはそれほど珍しくなく、環境によってはそのシトリン版が産出されたとしても不思議はないのですが、流通品の中に標本が見つからず、かつそれほど希少なものであれば今回購入したもののように標本的価値のないポリッシュとしてのみ流通するのが不自然であることから、レピドクロサイトinアメシストから作られた加熱シトリンなのではないか?という疑惑が拭えません。
続報求む。
ブルーフローライト on クォーツ
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
 
鉱物名:フローライト/クォーツ
宝石名:ブルー・フローライト/クォーツ
英名:Blue Fluorite on Drusy Quartz
和名:蛍石/水晶
モース硬度:4(フローライト)/7(水晶)
劈開:四方向に完全(フローライト)/なし(水晶)
産地:内モンゴル

処理:放射線照射の可能性あり?

流通名:ブルーフローライト on クォーツ
 
 
内モンゴル自治区赤峰市ハンガン鉱山産。
マニアにはたまらないヘンテコ水晶がわんさと出た産地ですが、こちらもかなりユニーク。
小さく真っ白な水晶がびっしりと埋め尽くす土台に、濃い藍色のフローライトの大小様々な結晶がこれでもかと生えています。
かなり濃い色なので一見不気味なばかりですが、光に透かすとなんとも美しいブルーが見えます。
  
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
透かしてからが本番。
 
白い水晶に覆われた土台は一部が欠けており、実は透明度のある淡いスモーキー・クォーツの結晶であることが分かります。
風の噂では、本来はグリーン・フローライトだったものが放射線照射処理を施され、フローライトはブルーに、中のロック・クリスタルはスモーキー・クォーツに変化したのだとか。
確かによく似た標本で、母岩の内側に食い込んだ部分のフローライトだけが緑色をしている写真を見たことがありますが、真偽の程は定かではありません。
(中国なら普通にやりそう)
  
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
土台はスモーキー・クォーツの結晶。六角形の断面がくっきり。
 
大きなスモーキー・クォーツの結晶の表面から育った白い水晶が集晶となって表面を隙間なく覆い、更にフローライトが共生する三層構造。とても分かりやすい。
もこもことしたフローライトの結晶は、小さなものではやや表面の荒れた八面体、大きなものだともうなんだかわからないごわごわした球状の塊になっています。
ちなみに白熱灯下やキャンドルの灯りの下では紫色にカラーチェンジ。
結構贅沢な標本です。
  【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
同産地でカラーチェンジフローライトは割と出たらしい。

セレナイト・ローズ-透石膏
【Selenite Rose】Seeben, Halle, Saxony-Anhalt, Germany

鉱物名:セレナイト(ジプサム)
宝石名:セレナイト
英名:Selenite/Gepsum
和名:透石膏
モース硬度:2
劈開:一方向に完全
産地:ドイツ

処理:-

流通名:セレナイト・ローズ
    セレナイト・ボール
    ジプサム・ローゼン
 
 
ころりと丸く愛らしい形、ざくざくと重なり合う板状結晶。
砂漠の薔薇によく似たこの石は、同じく透石膏の結晶が球状に集まったもの。
硬度は非常に低く、水にも溶けやすい為、保管にはやや注意が必要です。
   
【Selenite Rose】Seeben, Halle, Saxony-Anhalt, Germany
紫外線ライト(375nm)による蛍光。
  
ブラックライトで蛍光します。色は青味のあるレモンイエローとでも言えばいいのか…
鱗のような結晶がぼんやりと浮かび上がるように光るさまが幻想的。


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プロフィール
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Yati
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アクセサリー作家
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写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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