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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
マンガノエピドート in クォーツ・シスト-緑簾片岩
【Mangano Epidote in Quartz schist】Tanzania
岩石名:クォーツ・シスト
宝石名:マンガノエピドート in クォーツ・シスト(マンガノエピドート・シスト)
英名:Mangano Epidote in Quartz schist
和名:緑簾片岩
モース硬度:3.5? 6? 7?(諸説あり)
劈開:-(シストのため、片理により板状に割れる)
産地:タンザニア

処理:-

流通名:マンガノエピドート in クォーツ・シスト
     マンガノエピドート・シスト
     アフリカン・ストロベリー・クォーツ(誤称)
     グレナデン・クォーツ(誤称?)
     ピンク・エピドート(内包物を指す)

 
身内では最早ネタと化している長い名前、マンガノエピドートinクォーツ・シスト。
マンガノエピドートとは、マンガンを含有することによって赤く発色したエピドート(緑簾石。本来は緑色)。
クォーツ・シスト(石英片岩)は岩石の一種。
地殻変動により地下へ沈み込んだ石英が高温・高圧に晒され、平行配列されて再結晶した片状の変成岩で、一定方向へ割れる性質を持っています。
鑑別では「マンガノエピドートinクォーツ・シスト」の他に、「マンガノエピドート・シスト」 「ピーモンタイト・シスト」「ピーモンタイト・クォーツ・シスト」と出る場合がありますが、いずれも「マンガンにより赤く発色したエピドートを含むシスト」になります。
岩石としては近いもの、もしくは同一のものになると思われますが、鑑別結果にぶれがあるのは対象の石の個体差によるものでしょうか?

※マンガノエピドートとピーモンタイト(紅簾石)は共にマンガンにより赤く発色したエピドートグループの石を指します。
【Mangano Epidote in Quartz schist】Tanzania
 
*ストロベリー・クォーツ?*
マンガノエピドートinクォーツ・シストは、アフリカン・ストロベリー・クォーツ(もしくは単なるストロベリー・クォーツ)として流通していることが多いです。
そもそも「ストロベリー・クォーツ」はメキシコ産・カザフスタン産の、細かな赤いゲーサイトがびっしりと入って苺色になった水晶のことを指していた筈なのですが、ストロベリー・クォーツの人気が高まるにつれ、赤い内包物の入った水晶ならなんでも、ときには黒に近いゲーサイトが入った水晶までもが「ストロベリー・クォーツ」として流通しました。
マンガノエピドートinクォーツ・シストもそのひとつ。
タンザニア産ということで「アフリカン・ストロベリー・クォーツ」として売り出されたようなのですが、非常に可愛らしい色合いのおかげで「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」シリーズのなかでは大変人気があります。
「本物のストロベリー・クォーツよりこっちの方が好き!」という声も。
だからといって、勝手に「ストロベリー・クォーツ」にしてしまうのは、如何なもの?



*グレナデン・クォーツ?*
グレナデン・クォーツと呼ばれているケースも見掛けます。
主にアフリカ産の「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」に用いられる名前で、明確な定義はないようです。
マンガノエピドート in クォーツ・シストが「ストロベリー」として出回るより以前、ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイトが「グレナデン・クォーツ」「アフリカン・ストロベリー・クォーツ」「ブッシュベリー・クォーツ(中国名では「草苺石」)」等と呼ばれていました。
恐らくは区別なく(もとは区別されていたのかもしれませんが)、「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」に同じ流通名が使われているようです。
ただ、グレナデン「クォーツ」というからには、クォーツ・シストやクォーツァイトに属する石に用いることには疑問が残ります。

※鑑別によってはクォーツァイトが「鉱物名:天然クォーツ(多結晶質)・宝石名:クォーツァイト」と出る場合があるため、「クォーツである」と解釈することも出来ます。
  ただこれはヒトに例えるなら「学名:ホモ・サピエンス、氏名:○○」というようなざっくりとした括りなので、その石を扱う上で重要になるのは「クォーツァイト」のほうかと。

  

*そっくりな石*
以下の石はそれぞれ別ものですが非常に混同されやすく、「アフリカン・ストロベリー・
クォーツ」「グレナデン・クォーツ」「ブッシュベリー・クォーツ」等の流通名がついています。
流通名も混同されているため、厳密にどれがどれを指しているかは不明ですが、全部まとめて「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」として扱われています。

・ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(主にアフリカ、インド産)
ヘマタイト、ゲーサイト、レピドライトを内包しアベンチュレッセンス(ラメ状の輝き)を示すクォーツァイト(珪岩)。
アベンチュレッセンスが乏しい場合は、アベンチュリンではなくクォーツァイトとなります。

・ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(主に中国・ブラジル産)
マンガンにより赤く発色したモスコバイトを内包しアベンチュレッセンス(ラメ状の輝き)を示すクォーツァイト(珪岩)。
アベンチュレッセンスが乏しい場合は、アベンチュリンではなくクォーツァイトとなります。

・レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(モスコバイト?)
赤いモスコバイトを内包したクォーツァイトのうち、モスコバイトの含有量が多いものは「モスコバイト」として流通する場合があるそうです。
ただしあくまでもモスコバイトを含むクォーツァイトであるため単体のモスコバイトとは異なり、見た目にもかなり差があります。

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銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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