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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
ブルーフローライト on クォーツ
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
 
鉱物名:フローライト/クォーツ
宝石名:ブルー・フローライト/クォーツ
英名:Blue Fluorite on Drusy Quartz
和名:蛍石/水晶
モース硬度:4(フローライト)/7(水晶)
劈開:四方向に完全(フローライト)/なし(水晶)
産地:内モンゴル

処理:放射線照射の可能性あり?

流通名:ブルーフローライト on クォーツ
 
 
内モンゴル自治区赤峰市ハンガン鉱山産。
マニアにはたまらないヘンテコ水晶がわんさと出た産地ですが、こちらもかなりユニーク。
小さく真っ白な水晶がびっしりと埋め尽くす土台に、濃い藍色のフローライトの大小様々な結晶がこれでもかと生えています。
かなり濃い色なので一見不気味なばかりですが、光に透かすとなんとも美しいブルーが見えます。
  
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
透かしてからが本番。
 
白い水晶に覆われた土台は一部が欠けており、実は透明度のある淡いスモーキー・クォーツの結晶であることが分かります。
風の噂では、本来はグリーン・フローライトだったものが放射線照射処理を施され、フローライトはブルーに、中のロック・クリスタルはスモーキー・クォーツに変化したのだとか。
確かによく似た標本で、母岩の内側に食い込んだ部分のフローライトだけが緑色をしている写真を見たことがありますが、真偽の程は定かではありません。
(中国なら普通にやりそう)
  
【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
土台はスモーキー・クォーツの結晶。六角形の断面がくっきり。
 
大きなスモーキー・クォーツの結晶の表面から育った白い水晶が集晶となって表面を隙間なく覆い、更にフローライトが共生する三層構造。とても分かりやすい。
もこもことしたフローライトの結晶は、小さなものではやや表面の荒れた八面体、大きなものだともうなんだかわからないごわごわした球状の塊になっています。
ちなみに白熱灯下やキャンドルの灯りの下では紫色にカラーチェンジ。
結構贅沢な標本です。
  【Blue Fluorite on Drusy Quartz】
Hanggang Mine, Chifeng Prefecture, Inner Mongolia A.R., China
同産地でカラーチェンジフローライトは割と出たらしい。

ロジャリー産強蛍光フローライト-蛍石
【Green Fluorite】Rogerley Mine, Durham, England
 
鉱物名:フローライト
宝石名:グリーン・フローライト
英名:Green Fluorite
和名:蛍石
モース硬度:4
劈開:四方向に完全
産地:イングランド

処理:-

流通名:フローライト/フルオーライト


透き通るエメラルドグリーンの結晶を、表面から染め上げる鮮やかな青。
イギリス・ダラムのロジャリー鉱山から産出する強蛍光のフローライトは、
ブラックライトを当てずとも、太陽の紫外線ではっきりと蛍光を確認できます。
 
 
【Green Fluorite】Rogerley Mine, Durham, England
結晶の表面から内側へかけて、青~緑のグラデーションが出来ます。 
 
フローライトの名前の由来は、ラテン語の「fluere」。
これは製鉄の際、鉄鉱石を溶かしやすくするためにフローライトを用いたことから「鉄を流れる液体に変える」という意味でつけられた名前です。
また、日本名の蛍石は、フローライトを火で加熱すると発光する性質からきています。蛍光するから、というわけではないようです。
紫外線で蛍光する性質はフローライトで初めて発見されたため、フローレッセンス(蛍光現象)という言葉の元にもなっています。

【Green Fluorite】Rogerley Mine, Durham, England
紫外線ライト(375nm)による蛍光。
ペルー産グリーン・フローライト-蛍石
【Green Fluorite with Galena】Peru
 
鉱物名:フローライト
宝石名:グリーン・フローライト
英名:Green Fluorite
和名:蛍石
モース硬度:4
劈開:四方向に完全
産地:ペルー

処理:-

流通名:フローライト/フルオーライト


ミント味のクラッシュゼリーのような、爽やかでみずみずしいグリーン。
複雑に入り組んだ表面部分は透明に近く、内部の発色が濃いので、
スプーンにのるサイズの結晶ながら、深い湖の水面を覗いたときのような奥行きを感じます。
メタリックな黒い方鉛鉱が共生しています。


【Green Fluorite with Pyrite】Peru
紫外線ライト(375nm)による蛍光。
ブルー・フローライト-蛍石
【Blue Fluorite】Asturias, Spain
 
鉱物名:フローライト
宝石名:ブルー・フローライト
英名:Blue Fluorite
和名:蛍石
モース硬度:4
劈開:四方向に完全
産地:スペイン

処理:-

流通名:フローライト/フルオーライト


透明度が高く、結晶の形が美しいフローライトの産出で有名な
スペイン・アストゥリアス産のブルー・フローライトの群晶。
なかにはパイライトやバライト、カルサイト等が共生しているものも多く、
上の画像の石には、裏面に真っ白なバライト結晶がついています。
 
 
【Blue Fluorite】Asturias, Spain
  
同産地の群晶。
エッジの鋭い小さな結晶が集まっています。
色が薄く、非常にクリアな結晶内部には、内包されたパイライト結晶が黒っぽく透けて見えます。
 
 
【Blue Fluorite】Asturias, Spain
  
こちらも同産地の群晶。
角のとれたようなモコモコした結晶の表面には、びっしりと成長線(蝕像?)が残っています。
 
 
【Blue Fluorite】Asturias, Spain
  
成長線(?)アップ。ぐにゃぐにゃとした岩棚のようになっています。

バイカラー・フローライト-蛍石
【bi-color Fluorite】New Mexico, USA
 
鉱物名:フローライト
宝石名:バイカラー・フローライト
英名:bi-color Fluorite
和名:蛍石
モース硬度:4
劈開:四方向に完全
産地:アメリカ、マダガスカル、イングランド、カナダ、中国etc...

処理:-

流通名:フローライト/フルオーライト


バイカラーやトリカラー、グラデーションや縞々模様。
一部産地のフローライトには、複数の色の組み合わせを楽しめるものがありますが、青色は産出量が少なく、現在はニューメキシコでしか採れないとか。
ニューメキシコからは淡いブルー~パープルのバイカラーの産出が多く、画像の石は結晶内部で色が層状に重なっているため、中心部に紫色のファントムが見えています。
結晶表面はフローライトの魅力のひとつでもあるエッチングがびっしり。まるで磨りガラスのような質感の奥に潜む紫色…私は細胞核を連想しました。
 
 

【bi-color Fluorite】New Mexico, USA
こちらも同産地の結晶。濃いブルー~パープルのグラデーションになっています。 
   
フローライトの名前の由来は、ラテン語の「fluere」。
これは製鉄の際、鉄鉱石を溶かしやすくするためにフローライトを用いたことから「鉄を流れる液体に変える」という意味でつけられた名前です。
また、日本名の蛍石は、紫外線をあてると蛍のように蛍光するから…ではなく、フローライトを火で加熱すると発光する性質からきています。
紫外線で蛍光する性質はフローライトで初めて発見されたため、フローレッセンス(蛍光現象)という言葉の元にもなっています。


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