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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
コッパー in カルサイト
【Copper in Calcite】Houghton Co., Michigan, USA
 
鉱物名:コッパー/カルサイト
宝石名:ー
英名:Copper in Calcite/Calcite with Copper inclusions
和名:自然銅/方解石
モース硬度:3(カルサイト)
劈開:三方向に完全(カルサイト)
産地:アメリカ

処理:ー
 
流通名:コッパー in カルサイト
     カルサイト コッパーインクルージョン



自然銅が内包された犬牙状の透明カルサイト結晶。
ミシガン産の自然銅は標本としてよく見掛けますが、銅は空気に触れると酸化被膜が出来るので、大抵は少しずつ黒ずんでゆくもの。こちらはカルサイトに覆われているので、薬品処理をせずに銅本来の明るいサーモンピンクの発色を見ることが出来ます。
 
【Copper in Calcite】Houghton Co., Michigan, USA
 
肉眼で見ると、カルサイトの成長の過程で結晶表面に共生した自然銅がファントム状に閉じ込められているのがよく分かります。
しかし内包物にしっかりピントを合わせても、如何せん相手は複屈折の教材として頼もしいカルサイト。しっかりダブってしまいます。
肉眼で観測する分にはこのダブリングこそがカルサイトの面白さなのですが、内包物の写真がピシッと撮れないのは少々残念です。

クラム・カルサイト-方解石化した二枚貝
【Pelecypod Replaced by Calcite】Okeechobee County, Florida, U.S.A

鉱物名:カルサイト
宝石名:カルサイト
英名:Pelecypod Replaced by Calcite
和名:方解石
モース硬度:3
劈開:三方向に完全
産地:アメリカ

処理:-

流通名:二枚貝カルサイト
    クラム・カルサイト
 
 
白い貝殻の中から生えた、透明な蜂蜜色の犬牙状カルサイト結晶。
第三紀鮮新世~第四紀更新世の頃(約300~170万年前)のハマグリの祖先「Mercenaria permagna」が化石となる際、貝殻の成分である炭酸カルシウムが地下水に溶かされて貝殻の中に溜まり、その後水分が蒸発することでカルサイトが結晶したものなのだとか。
カルサイトが共生した貝化石は日本をはじめ世界各地に見られるようですが、宝石質のカルサイトが産出するのは今のところフロリダのオキーチョビー郡のみで、こちらは既に閉山してしまった為、今後は希少なものになってしまうかもしれません。


【Pelecypod Replaced by Calcite】Okeechobee County, Florida, U.S.A
紫外線ライト(375nm)による蛍光。

この標本を購入したのは2013年、偶然見つけて一目惚れからの購入でしたが、今年のミネラルショー関係で話題に上るまで、蛍光鉱物としても人気の石であったことは露知らず。
ムーンストーンのシラーのように、内側から浮かび上がる青白い光が神秘的です。

エレスチャル・カルサイト
【Elestial Calcite】Mohave, Arizona, USA
 
鉱物名:カルサイト
宝石名:カルサイト
英名:Calcite
和名:方解石
モース硬度:3
劈開:3方向に完全
産地:アメリカ

処理:-

流通名:エレスチャル・カルサイト
     エレスタイト
     ホワイト・モルダバイト(誤称)
     エンジェル・カルサイト(翼に似た形状から)


「ホワイト・モルダバイト」という名前で見掛けることの多いこの石ですが、実はモルダバイトでもテクタイトでもなく、カルサイトの一種とのこと。
何故モルダバイトと銘打っているのかといえば、「表面の凹凸が似ているから」という、実にシンプルな理由からだそうです。
 
モルダバイトとは、チェコのボヘミア地方で採れる深い緑色のテクタイト(隕石の衝突により地表の鉱物が熔融して形成された天然ガラス)のこと。
テクタイトには黒~褐色が多く、緑のモルダバイトや、薄い黄色のリビアン・グラスのような明るい色味のものは装飾品としても人気で、本物・偽物ともにたくさん流通しているのですが、白いものは見たことがありません。
 
「エレスチャル・カルサイト」とも呼ばれるこのカルサイトは、アメリカ・アリゾナ州のモハーヴェ砂漠で産出されます。
母岩や他種鉱物の結晶に成長を阻害されることなく、独特の形状に結晶したもので、表面の質感が似ていたことから発見者がモルダバイトと思い込み、そのまま「ホワイト・モルダバイト」と名付けられたのだとか。

せっかくなのでモルダバイトとツーショットを撮ってみましょう。
   
左:モルダバイト / 右:エレスチャル・カルサイト 
  
細かく波打つような凸凹の質感は、確かにモルダバイトに似ています。
また、翼に似た形をしているものは、「エンジェル・カルサイト」の愛称でも呼ばれています。

※この石を鑑別した結果、カルサイトではない(少なくとも純粋ではない)との回答を得た
 という話を聞きます。
 詳細については言及されていないため、今のところ詳細は不明です。
 複雑な特徴を持つ鉱物の場合、通常鑑別で「不明」の結果が出ることも少なくありません。宝石業界ではあまりメジャーな石ではないものの、更なる追加情報を望みたいところです。
パイライト on カルサイト
【Pyrite on Calcite】中国・湖北省
鉱物名:カルサイト/パイライト
宝石名:-
英名:Pyrite on Calcite/Pyrite with Calcite
和名:黄鉄鉱/方解石
モース硬度:3(カルサイト)/6-6.5(パイライト)
劈開:三方向に完全(カルサイト)/なし(パイライト)
産地:中国、モロッコ、スペイン、ペルーetc...

処理:-

流通名:カルサイト on パイライト
     カルサイト in on パイライト


中国・湖北省産のパイライト共生カルサイトです。
湖北省は水晶、カルサイト、パイライト等の共生しているタイプが多く産出されているようですが、こちらのタイプは2011年に出たばかりの新しいもの、とのこと。
カルサイトのポイントにパイライトの被膜が出来たところを、更にそれを覆う形でカルサイトが成長した様子。
パイライトの表に出ている部分は変色が進み、ところどころ酸化被膜が出来て虹色が見られますが、カルサイトに閉じ込められた部分は金色のまま、ラメのようにギラギラと光っています。
 
※ラベルではパイライト表記ですが、チャルコパイライトの可能性ありかも。

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写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
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宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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