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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
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ラブラドライト-曹灰長石
【Labradorite】India

鉱物名:フェルスパー
宝石名:ラブラドライト
英名:Labradorite
和名:曹灰長石
モース硬度:6-6.5
劈開:完全
産地:フィンランド、カナダ、マダガスカル、アメリカ、オーストラリア
    ノルウェー、インド、メキシコ、ウクライナ、ミャンマーetc...

処理:透明度の改善を目的としたオイル含浸(一部)

流通名:ラブラドライト
     ホワイト・ラブラドライト(白~透明)
     スペクトロライト(フィンランド・ユレマ産)
     ブルー・ムーンストーン(誤称)
     レインボー・ムーンストーン(誤称)
     ブラック・レインボー・ムーンストーン(誤称)
     ゴールデン・ラブラドライト(金色のラブラドライト。バイトウナイトの誤称を含む)
     ハニー・ラブラドライト(金色のラブラドライト)
     オレゴン・サンストーン(アベンチュレッセンスを示す)
     

揚羽蝶の翅に喩えられる虹色の光を浮かべるラブラドライトは、フェルスパーグループのアノーサイトとアルバイトの個溶体。
この石は最初イリデッセンス(虹色効果)を示さないものが主でしたが、カナダのラブラドール州セント・ポール島で美しいイリデッセンスを示す変種が発見され、これがラブラドライトと名付けられ人気を得ました。
アノーサイトとアルバイトの層の間にマグネタイトやヘマタイト等の金属鉱物が入り込んだことによる、他のフェルスパーにはない特有のイリデッセンスは「ラブラドレッセンス」と呼ばれています。

【Spectrolite】Ylamaa, Finland
*スペクトロライト*
フィンランドのユレマ産のラブラドライトは、他産地のラブラドライトと区別され「スペクトロライト」の名前で流通しています。
イルメナイト(チタン鉄鉱)やマグネタイト(磁鉄鉱)を内包しているため地色は他の産地のラブラドライトに比べて黒っぽく、透明度もあまりありません。その分、ラブラドレッセンスの鮮やかさが映えて見え、非常に美しいものが産出されています。
「スペクトロライト」の名前の由来はスペクトル、即ち様々な色を持つ光(ラブラドレッセンス)ですが、流通しているスペクトロライトがみな色のバリエーションが豊かであるかといえばそうではなく、取り合えずユレマ産であれば「スペクトロライト」の名で差別化を図っているといった感があります。

【White Labradorite】India
*ホワイト・ラブラドライト*
ラブラドライトのうち、地色が白~透明のものを「ホワイト・ラブラドライト」と呼びます。
鮮やかな青のラブラドレッセンスを示すものは「ブルー・ムーンストーン」や「ロイヤルブルー・ムーンストーン」、虹色の顕著なものは「レインボー・ムーンストーン」など、ムーンストーンと関連付けた誤称が用いられます。
透明度の高いホワイト・ラブラドライトはブルー・ムーンストーンやペリステライトに似ていますが、角度によって青以外の色が見られた場合はラブラドライトであると言えます。

【Golden Labradorite】Myanmar
*ゴールデン・ラブラドライト*
「インドラライト(インドライト)」「インドラの残光」「インドラの矢尻」とも呼ばれる、ミャンマー産の渋い金色のラブラドライトを「ゴールデン・ラブラドライト」と呼びます。
写真の石は「ハニー・ラブラドライト」の名前がついていました。
通常のラブラドライトをそのまま黄色っぽくしたようなボディカラーに、しっかりラブラドレッセンスが見られます。

Bytownite】Mexico
*バイトウナイト/バイタウナイト*
「ゴールデン・ラブラドライト」と呼ばれる石のなかに、写真のように透き通ったレモン色のものがあります。
こちらは正確にはラブラドライトではなくバイトウナイト(亜灰長石)。
バイトウナイトの名前は、最初に産出されたカナダの首都オタワの旧称「バイタウン」に由来していますが、現在は主にメキシコ産が流通しているようです。
ラブラドライトと同じくアノーサイトとアルバイトの個溶体ですが、ラブラドライトに含まれるアルバイトの割合は30~50%であるのに対し、バイトウナイトに含まれるアルバイトは10~30%となり、この比率によって区別されています。
ラブラドレッセンスは示しません。


*ブルー、ピンク、グリーンのラブラドライト?*
シルバージュエリーに多く見られる、色とりどりのベースカラーにイリデッセンスを浮かべる「ムーンストーン」があります。
正体は、青やピンクや緑などの色紙を敷き込んだホワイト・ラブラドライト。
カボションタイプのホワイト・ラブラドライトのルースの下に色紙を重ね、裏側を完全に覆ったクローズド・セッティングにすることによって、正面からは色紙の色が透けて見え、更にラブラドレッセンスの虹色が浮かんで見えます。
ペリステライトが大量に流通するより以前は、ホワイトラブラドライトが「ブルームーンストーン」の代用品の主流でした。
その時期に、こうしたクローズド・セッティングで作られた「地色の青いブルー・ムーンストーン」が出回ったために、鉱物の知識のないシルバージュエリーショップや雑貨店では商品名に混乱が見られました。
2種類の異なる「ブルー・ムーンストーン」を区別するべく、青い色紙入りのホワイト・ラブラドライトを「ブルー・ムーンストーン」、通常のホワイト・ラブラドライトを「ムーンストーン」として扱うケースもあり、「ムーンストーン」の売場に2種類のホワイト・ラブラドライトが溢れ、本来のムーンストーンはほとんど姿を消してしまうということもありました。
現在も色紙入りのホワイト・ラブラドライトは「○○・ムーンストーン」や「レインボー・○○・ムーンストーン」の名前で流通していますが、本来のピンクや緑色のムーンストーンとは見た目にかなりの差があること、色紙の色が非常に鮮やかであること、ルースを横から見たときにホワイト・ラブラドライト本来の透明~白色しか見えないことから、簡単に見分けることが出来ます。
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アクセサリー作家
趣味:
写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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