ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
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2024/11/23/Saturday
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サファイア-青玉
2012/11/01/Thursday
【Sapphire】Sri Lanka
鉱物名:コランダム
宝石名:サファイア
英名:Sapphire
和名:青玉/蒼玉
モース硬度:9
劈開:なし
産地:ミャンマー、スリランカ、タイ、インド、マダガスカル、タンザニア、
パキスタン、アフガニスタンetc...
処理:加熱、加熱+鉛ガラス含浸(色つきガラスの場合あり)
ベリリウム拡散加熱処理(表面から内側へかけての着色)
流通名:サファイア
ピンク・ルビー(ピンク・サファイアの誤称)
レッド・サファイア(ベリリウム拡散加熱処理による赤色のサファイア)
コランダムのうち赤いものを「ルビー」、その他の色を「サファイア」と呼びます。
ルビーの記事でも触れましたが、ピンクサファイアとルビーの境は非常に曖昧で、赤に限りなく近いピンクなどは鑑別のたびにルビーとサファイアの間を彷徨ったりします。
たまに、ピンク色のコランダムを「ピンク・ルビー」と称していることがありますが、ピンクと判断された時点でサファイアになるので、この名前には矛盾があります。
インド産の濃いピンクのコランダムが「ルビー」とされているケースも多いようです。
何故「ルビー」にしたいかといえば、「サファイア」よりも「ルビー」のほうが価値が高いとされ、価格にも差が出るから、という理由が大きいようです。
【Sapphire】Umba river, Tanzaia & Pakistan & Afghanistan
サファイアには色の改善を目的とした加熱処理が施されるのが通常で、非加熱でも美しいものは非常に限られます。
特にビーズに加工されるような宝石質以下の安価なものは、加熱か、加熱+含浸処理が施されている場合が殆どです。
これもルビーと同じで、「非加熱」「ナチュラル」との表記があっても、調べてみたら加熱済みのパターンがよくあります。
画像のルビー~ピンクサファイアには加熱が施されています。
さらに鉛ガラスによる含浸処理により透明度が上がったものも増えています。
こういったものを「高品質」として販売している場合があるため、目が慣れていない場合は要注意。
こうした処理の有無が問題になるのは、価格や価値の問題もありますが、それ以上に耐久性に違いが出てくるからです。
コランダムは、加熱すると少し脆くなります。
また、鉛ガラス含浸処理を施されるものにはもともと大きな傷があるので、衝撃に弱いこと、それ故に超音波洗浄や修理などが出来ないこと、鉛ガラスが酸に弱く溶け出す場合があるため、通常のコランダムのように扱うことが出来ないのです。
加熱や含浸処理自体は、見目のよくないコランダムを美しく見せるための技術なので、正しく扱いさえすれば何も問題はありません。
一番の問題は、こうした処理について知識がなかったり、知っていながら隠して販売してしまうケースが多いこと。
処理が施されていることをマイナス要素として受け止めているために、売りやすさ優先で無処理と偽ってしまう(または無処理と誤解されやすい表記をする)ようです。
*ベリリウム拡散加熱処理*
鉛ガラス含浸と並んで近年かなり増えているのが、ベリリウムを表面拡散したサファイア。
ベリリウムとは、ベリルに含まれる原子番号4の元素。それを加熱によってサファイアの表面に拡散すると、表面から内部にかけて色が浸透します。
ベリリウムを表面拡散した大きめのサファイアを輪切りにすると、ウォーターメロン・トルマリンのように内側と外側で色が違うとのこと。
もとが透明なら明るい黄色のイエロー~ゴールデンカラーに、もとがピンク色ならパパラチャのようなオレンジッシュ・ピンクに変化するそうです。
パパラチャ・サファイアは希少価値が高く、高価で人気もある宝石。
このパパラチャのなかに、ベリリウムの表面拡散により色を作られたものが混じって流通していることがGIA(米国宝石学協会)の発表で明らかになり、問題となったのが2001年。
中央宝石研究所の方の話では、ルースでもかなり出回っているが、特にビーズに加工されているもので綺麗な黄~オレンジ系のサファイアはほぼベリリウム拡散加熱処理によるものとのこと。
その話を伺った後、緑や青のサファイアからもベリリウムが出たとのことなので、色に限らず多くのサファイアに施されている可能性があります。
一時期「レッド・サファイア」という名前の赤いサファイアがあり、何故ルビーではないのか?と疑問に思っていたところ、どうやらベリリウムの拡散によって赤く発色したタイ産のサファイアであったことが分かりました。
流通の現場に於いて、ベリリウム拡散加熱処理についてはっきりと触れられているケースはまだ少なく(ビーズに関しては絶望的)注意が必要ですが、単なる着色とは異なり、色落ちの心配はないようです。
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趣味:
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宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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