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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
ハイドロフェーン・オパール-蛋白石
【Hydrophane Opal】Delanta, Amhara, Ethiopia
鉱物名:オパール
宝石名:プレシャス・オパール/ハイドロフェーン・オパール
英名:Precious Opal/Hydrophane Opal
和名:蛋白石
モース硬度:5-6.5
劈開:なし
産地:エチオピア、スーダン

処理:-

流通名:プレシャス・オパール
     エチオピアン・オパール(エチオピア産)
     ウェロ・オパール(エチオピア・ウェロ産)
     スーダン・オパール(スーダン産)
     ハイドロフェーン・オパール
     カメレオン・オパール
     マジック・オパール
     ミステリアス・オパール


オパールのうち、遊色を示すものをプレシャス・オパール、それ以外をコモン・オパールと呼びます。
画像の石はエチオピア・アムハラ州の高原地帯Delantaで産出したプレシャス・オパール。
エチオピア産のプレシャス・オパールは他のプレシャス・オパールに比べ、美しいものが安価で手に入るため、ここ数年で大量に流通しました。

あまり知られていない(らしい)のですが、エチオピア産プレシャス・オパールのほとんどはハイドロフェーンタイプ。
ハイドロフェーンタイプのオパールは通常のオパールとは異なり、吸水性が強く、水に浸すとその水を吸って乳白色から透明に変わります。
透明になると、クリスタル・オパールのように透き通った中に遊色が浮かぶ様が非常に美しく、印象ががらっと変わります。乾燥によって水分量が戻ると、透明度も元に戻ります。
湿度の高い日本では水分が抜けるのに数日かかることもあり、雨の日などは水に浸けなくても透けてゆきます。
この特徴から、カメレオン・オパール、ミステリアス・オパール、マジック・オパールという呼び名が生まれました。
一粒で二度おいしいとは正にこのこと。

しかしこの吸水性が実は曲者。
色水を吸ってしまえばオパールに色素が残りますし、水道水であればカルキを吸着してやはり変色してしまいます。
また、水を吸ってから乾燥する際に罅が入ってしまったり、透明度や遊色が落ちてしまうなど、非常にデリケートな面も。
宝飾・アクセサリー用に加工されるものは、産出する原石のなかでも比較的耐久性のある部分で、ある程度乾燥にも強い筈ですが、それでもやはり注意が必要。
ところが宝飾やビーズの業界のなかには、そんなハイドロフェーンの特徴について知識がない、またはその特徴をマイナス要素と捉え、伏せてしまうディーラーが少なくありません。
そのために、ハイドロフェーン・オパールの特徴や取扱い方についての言及がされないまま「エチオピアやスーダン産の安価なプレシャス・オパール」として流通し、汗や化粧品、カルキなどを吸着して変色してしまうトラブルが発生しているようです。

お手入れは若干面倒に思われがちですが、吸水性が高いこと以外は通常のオパールとそれほど変わりません。
ハイドロフェーン・オパールを身につけたあとは、放置せず、必ずお手入れをすること。
カルキの吸着を避けたい場合は、お手入れに使う水は純水を。
表面の汚れを落として、柔らかい布で水分を拭き取り、極度の乾燥を避けて保管してください。
乾燥のひどい時期には、水を入れたグラスを近くに置くなどして、適度に保湿するとよいです。水に浸けておく必要は特にありません。
エアコンやドライヤーの温風にはご注意を。

デリケートな石ですが、弱点を把握した上でケアを続けていれば、元のままの美しさを保つことが出来ます。
透明度の変化も含めて、お楽しみあれ。
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プロフィール
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Yati
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職業:
アクセサリー作家
趣味:
写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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