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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
レピドクロサイト in シトリン-鱗鉄鉱入黄水晶
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
  
鉱物名:クォーツ
宝石名:レピドクロサイト in シトリン
英名:Lepidocrocite in Citrine
和名:鱗鉄鉱入黄水晶
モース硬度:7(水晶)
劈開:不明瞭
産地:マダガスカル

処理:?

流通名:エレスチャル・シトリン(誤称を含む。スーパーセブンと関連)
 
 
レピドクロサイト(鱗鉄鉱)が内包されたマダガスカル産シトリンです。
店頭での表記は「エレスチャルシトリン」となっておりましたが、エレスチャルという名前はそもそもスケルタルのように「ごつごつとした形の結晶の水晶」を示すもので、形に価値がある以上、画像のように磨いてしまう理由がありません。恐らくは流通現場で生じた誤称である「特定の内包物を含む水晶」の意で使用されているものと推測されます。正しい意味でのエレスチャル・シトリンはミナス・ジェライス産のものを見かけますが、見た目は全く異なります。
 
 
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
 
レピドクロサイトは水酸化鉄の一種で、結晶は鱗状~針状で色は赤~黒。これを多量に含む水晶(レピドクロサイトinクォーツ)はその見た目から「ファイア・クォーツ」「ハーレクイン・クォーツ」とも呼ばれますが、上記のような「エレスチャル」と誤称される水晶やアメシストの一種でもあります。ただ、シトリンに含まれるものを見たのはこれが初めてでしたし、あまり流通してもいないようです。
 
 
【Lepidocrocite in Citrine】Madagascar
   
*加熱シトリン?*
シトリンはポピュラーな宝石ですが、実のところ天然のシトリンというものは非常に希少で、非加熱、天然色として保証されるもの以外ほとんどの流通品が、アメシストを加熱し作られる「バーント・アメシスト」、スモーキー・クォーツを照射・加熱し作られる「バーント・スモーキークォーツ」、もしくは科学組織と結晶構造を人工的に再現した合成シトリンとなっています。
アメシストからシトリンが作られる仕組みは、発色要因である鉄イオンのFe4+とFe2+が、加熱によりFe3+に変化することで紫から黄色の発色へ変わる為。
レピドクロサイトを内包するアメシストはそれほど珍しくなく、環境によってはそのシトリン版が産出されたとしても不思議はないのですが、流通品の中に標本が見つからず、かつそれほど希少なものであれば今回購入したもののように標本的価値のないポリッシュとしてのみ流通するのが不自然であることから、レピドクロサイトinアメシストから作られた加熱シトリンなのではないか?という疑惑が拭えません。
続報求む。
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アクセサリー作家
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写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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