ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
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2024/11/22/Friday
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ラジュライト in クォーツ-天藍石入水晶
2012/09/16/Sunday
【Lazulite in Quartz】
鉱物名:クォーツ
宝石名:ラジュライト in クォーツ/ラズライト in クォーツ
英名:Lazulite in Quartz
和名:青水晶/天藍石入水晶
モース硬度:7(水晶の硬度)
劈開:なし
産地:マダガスカル、カナダetc...
処理:-
流通名:ラジュライト(ラズライト) in クォーツ
天藍石入水晶
青水晶
ブルー・クォーツ
ブルー・サンストーン(!?)
ラジュライトinクォーツ。
青い小さなラジュライト(天藍石)の結晶が内包された水晶です。
産出量は少なく、加工も難しいので稀少なのだとか。
写真のブリオレットは、インドの業者より「ブルー・サンストーン」という名前で仕入れたものです。
青いサンストーンというものは、今のところ存在しない筈。
アイオライトに含まれたヘマタイト等によるアベンチュレッセンスを示す「アイオライト・サンストーン」ならありますが、透明なクォーツに青い結晶を含むこの石とは大分違います。
ラジュライトinクォーツにしか見えないけれど、そんな流通名があっただろうか?
と疑問に思いつつ「ラジュライトでは?」と確認したところ、「そうかもしれないけど、ブルー・サンストーンの名前で入ってきてるから」との返答。
その後も「ブルー・サンストーン」のまま販売されていたようです。
ラジュライトinクォーツは分かりやすいほうですが、同じように不思議な名前をつけられて売られているもののなかには全く正体不明な石もあったりして、なかなかスリリング。
産地は分かりませんが、この色合いは恐らくカナダあたりのような?
写真では青く写り過ぎていますが、実際はもう少しくすんだ色をしています。
内包されたラジュライトのために水晶全体が青っぽく見えるので「ブルー・クォーツ」「青水晶」とも呼ばれます。
※「ブルー・クォーツ」「青水晶」は、内包物のために青く見える水晶の総称です。
天然の水晶には、それ自体が青色をしているものはありません。
水晶を青く見せる内包物は、他にインディコライト(ブルートルマリン)、ギラライト、
クロシドライトやリーベッカイト、アエリナイト、デュモルチェライト、シャッタカイト、
ブランシェアイト、パパゴアイト、アホーアイト等があります。
また合成水晶やガラスの「ブルークォーツ」もあります。
*ラジュライトとラズライト*
ラジュライトの綴りはLazulite。
「ラズライト」と表記されることも多いのですが、最近では「ラジュライト」「ラジューライト」の表記が増えています。
それというのも、「ラズライト(Lazurite)」という、非常に間違われやすい石が他にあるため。
「ラズライト(Lazurite)」は、和名で青金石。ラピス・ラズリを構成する主成分です。
全く違う石なのですが、日本語ではLとRの区別が難しく、どちらも「ラズライト」と表記され混同されてしまうことが多いため、天藍石(Lazulite)のほうを「ラジュライト」「ラジューライト」と表記することになったようです。
マンガノエピドート in クォーツ・シスト-緑簾片岩
2012/09/15/Saturday
【Mangano Epidote in Quartz schist】Tanzania
岩石名:クォーツ・シスト宝石名:マンガノエピドート in クォーツ・シスト(マンガノエピドート・シスト)
英名:Mangano Epidote in Quartz schist
和名:緑簾片岩
モース硬度:3.5? 6? 7?(諸説あり)
劈開:-(シストのため、片理により板状に割れる)
産地:タンザニア
処理:-
流通名:マンガノエピドート in クォーツ・シスト
マンガノエピドート・シスト
アフリカン・ストロベリー・クォーツ(誤称)
グレナデン・クォーツ(誤称?)
ピンク・エピドート(内包物を指す)
身内では最早ネタと化している長い名前、マンガノエピドートinクォーツ・シスト。
マンガノエピドートとは、マンガンを含有することによって赤く発色したエピドート(緑簾石。本来は緑色)。
クォーツ・シスト(石英片岩)は岩石の一種。
地殻変動により地下へ沈み込んだ石英が高温・高圧に晒され、平行配列されて再結晶した片状の変成岩で、一定方向へ割れる性質を持っています。
鑑別では「マンガノエピドートinクォーツ・シスト」の他に、「マンガノエピドート・シスト」 「ピーモンタイト・シスト」「ピーモンタイト・クォーツ・シスト」と出る場合がありますが、いずれも「マンガンにより赤く発色したエピドートを含むシスト」になります。
岩石としては近いもの、もしくは同一のものになると思われますが、鑑別結果にぶれがあるのは対象の石の個体差によるものでしょうか?
※マンガノエピドートとピーモンタイト(紅簾石)は共にマンガンにより赤く発色したエピドートグループの石を指します。
【Mangano Epidote in Quartz schist】Tanzania
*ストロベリー・クォーツ?*
マンガノエピドートinクォーツ・シストは、アフリカン・ストロベリー・クォーツ(もしくは単なるストロベリー・クォーツ)として流通していることが多いです。
そもそも「ストロベリー・クォーツ」はメキシコ産・カザフスタン産の、細かな赤いゲーサイトがびっしりと入って苺色になった水晶のことを指していた筈なのですが、ストロベリー・クォーツの人気が高まるにつれ、赤い内包物の入った水晶ならなんでも、ときには黒に近いゲーサイトが入った水晶までもが「ストロベリー・クォーツ」として流通しました。
マンガノエピドートinクォーツ・シストもそのひとつ。
タンザニア産ということで「アフリカン・ストロベリー・クォーツ」として売り出されたようなのですが、非常に可愛らしい色合いのおかげで「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」シリーズのなかでは大変人気があります。
「本物のストロベリー・クォーツよりこっちの方が好き!」という声も。
だからといって、勝手に「ストロベリー・クォーツ」にしてしまうのは、如何なもの?
*グレナデン・クォーツ?*
グレナデン・クォーツと呼ばれているケースも見掛けます。
主にアフリカ産の「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」に用いられる名前で、明確な定義はないようです。
マンガノエピドート in クォーツ・シストが「ストロベリー」として出回るより以前、ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイトが「グレナデン・クォーツ」「アフリカン・ストロベリー・クォーツ」「ブッシュベリー・クォーツ(中国名では「草苺石」)」等と呼ばれていました。
恐らくは区別なく(もとは区別されていたのかもしれませんが)、「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」に同じ流通名が使われているようです。
ただ、グレナデン「クォーツ」というからには、クォーツ・シストやクォーツァイトに属する石に用いることには疑問が残ります。
※鑑別によってはクォーツァイトが「鉱物名:天然クォーツ(多結晶質)・宝石名:クォーツァイト」と出る場合があるため、「クォーツである」と解釈することも出来ます。
ただこれはヒトに例えるなら「学名:ホモ・サピエンス、氏名:○○」というようなざっくりとした括りなので、その石を扱う上で重要になるのは「クォーツァイト」のほうかと。
*そっくりな石*
以下の石はそれぞれ別ものですが非常に混同されやすく、「アフリカン・ストロベリー・
クォーツ」「グレナデン・クォーツ」「ブッシュベリー・クォーツ」等の流通名がついています。
流通名も混同されているため、厳密にどれがどれを指しているかは不明ですが、全部まとめて「ストロベリー・クォーツ(っぽい石)」として扱われています。
・ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(主にアフリカ、インド産)
ヘマタイト、ゲーサイト、レピドライトを内包しアベンチュレッセンス(ラメ状の輝き)を示すクォーツァイト(珪岩)。
アベンチュレッセンスが乏しい場合は、アベンチュリンではなくクォーツァイトとなります。
・ピンク~レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(主に中国・ブラジル産)
マンガンにより赤く発色したモスコバイトを内包しアベンチュレッセンス(ラメ状の輝き)を示すクォーツァイト(珪岩)。
アベンチュレッセンスが乏しい場合は、アベンチュリンではなくクォーツァイトとなります。
・レッド・アベンチュリン・クォーツァイト(モスコバイト?)
赤いモスコバイトを内包したクォーツァイトのうち、モスコバイトの含有量が多いものは「モスコバイト」として流通する場合があるそうです。
ただしあくまでもモスコバイトを含むクォーツァイトであるため単体のモスコバイトとは異なり、見た目にもかなり差があります。
スケルタル・クォーツ-骸骨水晶
2012/09/15/Saturday
【Skeletal Quartz】Pakistan
鉱物名:クォーツ
宝石名:ロック・クリスタル
英名:Rock Crystal
和名:水晶
モース硬度:7
劈開:なし
産地:パキスタン、アフガニスタン、メキシコ、インド、ブラジルetc...
処理:-
流通名:スケルタル・クォーツ
骸骨水晶
ウィンドウ・クォーツ(窓の意)
フェンスター・クォーツ(窓の意)
エレスチャル・クォーツ
写真はパキスタン産のスケルタル・クォーツ(骸骨水晶)。
素直に訳すなら、骸骨というより「透けている、骨格が見えている」といったところでしょうか?
石英の結晶は層状に成長してゆきますが、結晶が短期間で形成されると、平らな面の縁や角の部分だけが目立って成長し、平らな面との差によって空洞が出来る「骸晶」を成すことがあります。
そのような骸晶を持つ水晶を「スケルタル・クォーツ」、凹んだ面が窓のようにも見えることから「ウィンドウ・クォーツ」「フェンスター・クォーツ」とも呼びます。
エレスチャル・クォーツと呼ばれる水晶のなかにスケルタルも含まれているらしく、エレスチャル=スケルタルのように扱われることもありますが、エレスチャルの全てがスケルタルではないので、イコールにはならないようです。
ロック・クリスタル-水晶
2012/09/14/Friday
【Rock Crystal】Brazil
鉱物名:クォーツ
宝石名:ロック・クリスタル
英名:Rock Crystal
和名:水晶
モース硬度:7
劈開:なし
産地:ブラジル、マダガスカル、アメリカ、ドイツ、コロンビア、スイス
オーストラリア、カナダ、スリランカ、日本、中国、メキシコ、ペルー
パキスタン、アフガニスタン、インドetc...
処理:透明剤の充填(一部)
流通名:ロック・クリスタル
クリスタル・クォーツ
水晶
白水晶
クォーツ(石英)のうち、透明な六角柱の結晶をロック・クリスタルと呼びます。
かつて西洋では、アルプスで採れるこの透明な石を氷の化石と考えていました。
「クリスタル」とは現代では結晶という意味を持ちますが、語源はギリシア語の「クリュスタロス」で、氷を指す言葉でした。
東洋では透明な石英は水の結晶、水の精と考えられていたため「水精」と呼ばれ、単なる石ではなく、水に纏わる霊的な存在と捉えられていたようです。
*合成水晶と溶練水晶*
市場に流通する「水晶」のなかに、天然水晶とは別に「合成水晶」や「溶練水晶」があります。
「合成水晶」は、天然の石英の結晶構造を人工的に作り上げた合成石。
天然ではありませんが、水晶の結晶を持っているため、水晶ということになります。
「溶練水晶」は、石英を一度溶かして再度固めたもの。
溶かした時点で石英の結晶構造が壊れるため、出来上がるのは水晶ではなく、石英を溶かして作る非晶質固体、つまり「石英ガラス」となります。
鑑別では「模造石(ガラス)」と出るそうです。
これら「合成水晶」や「溶練水晶」が、天然水晶と偽って装飾用に流通しているのでは?
といった声もありますが、今のところそれほどでもないようです。
合成水晶は天然水晶よりも生産コストがかかるため、専ら工業用に生産されています。
ビーズ等でもごく一部に合成水晶が見られますが、殆どは天然水晶です。
「溶練水晶」は水晶玉(占い師の方が用いるあれです)に多く、大きさや透明度に対して非常に安価です。
いずれも鑑別によって見分けることが出来ます。
プロフィール
HN:
Yati
HP:
性別:
女性
職業:
アクセサリー作家
趣味:
写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
宝飾業界のはじっこのほうで
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