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ivy cageの工房に散らばる石ころのご紹介。
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イルメナイト in アクアマリン
【Ilmenite in Aquamarine】Brazil
鉱物名:ベリル
宝石名:イルメナイト in アクアマリン
英名:Ilmenite in Aquamarine
和名:藍玉
モース硬度:7.5-8
劈開:不明瞭
産地:モザンビーク、ブラジル、マダガスカルetc...

処理:-

流通名:イルメナイト in ベリル
     ブラック・ベリル
     ブラック・レイン・ベリル
     スター・ブラック・ベリル
     シーン・スモーキー・ベリル
     モス・アクアマリン
     バンデット・アクアマリン
     ブラック・アクアマリン
     シャイニーティック・アクアマリン


イルメナイトinアクアマリンは、青いベリルであるアクアマリンにイルメナイト(チタン鉄鉱)の結晶を含むもの。
黒い塵のようなイルメナイトが点在するものを「モスアクアマリン」
イルメナイトが多く含まれ黒っぽく見えるものを「ブラック・ベリル」
雨のような縞模様に見えるものを「バンデット・ベリル/アクアマリン」
鱗状のイルメナイトに光が反射しアベンチュレッセンスやシラーが見られるものを「スター・ブラック・ベリル」「シャイニーティック・アクアマリン」「ブラックベリル・キャッツアイ」等と呼びます。
ラブラドライト-曹灰長石
【Labradorite】India

鉱物名:フェルスパー
宝石名:ラブラドライト
英名:Labradorite
和名:曹灰長石
モース硬度:6-6.5
劈開:完全
産地:フィンランド、カナダ、マダガスカル、アメリカ、オーストラリア
    ノルウェー、インド、メキシコ、ウクライナ、ミャンマーetc...

処理:透明度の改善を目的としたオイル含浸(一部)

流通名:ラブラドライト
     ホワイト・ラブラドライト(白~透明)
     スペクトロライト(フィンランド・ユレマ産)
     ブルー・ムーンストーン(誤称)
     レインボー・ムーンストーン(誤称)
     ブラック・レインボー・ムーンストーン(誤称)
     ゴールデン・ラブラドライト(金色のラブラドライト。バイトウナイトの誤称を含む)
     ハニー・ラブラドライト(金色のラブラドライト)
     オレゴン・サンストーン(アベンチュレッセンスを示す)
     

揚羽蝶の翅に喩えられる虹色の光を浮かべるラブラドライトは、フェルスパーグループのアノーサイトとアルバイトの個溶体。
この石は最初イリデッセンス(虹色効果)を示さないものが主でしたが、カナダのラブラドール州セント・ポール島で美しいイリデッセンスを示す変種が発見され、これがラブラドライトと名付けられ人気を得ました。
アノーサイトとアルバイトの層の間にマグネタイトやヘマタイト等の金属鉱物が入り込んだことによる、他のフェルスパーにはない特有のイリデッセンスは「ラブラドレッセンス」と呼ばれています。

【Spectrolite】Ylamaa, Finland
*スペクトロライト*
フィンランドのユレマ産のラブラドライトは、他産地のラブラドライトと区別され「スペクトロライト」の名前で流通しています。
イルメナイト(チタン鉄鉱)やマグネタイト(磁鉄鉱)を内包しているため地色は他の産地のラブラドライトに比べて黒っぽく、透明度もあまりありません。その分、ラブラドレッセンスの鮮やかさが映えて見え、非常に美しいものが産出されています。
「スペクトロライト」の名前の由来はスペクトル、即ち様々な色を持つ光(ラブラドレッセンス)ですが、流通しているスペクトロライトがみな色のバリエーションが豊かであるかといえばそうではなく、取り合えずユレマ産であれば「スペクトロライト」の名で差別化を図っているといった感があります。

【White Labradorite】India
*ホワイト・ラブラドライト*
ラブラドライトのうち、地色が白~透明のものを「ホワイト・ラブラドライト」と呼びます。
鮮やかな青のラブラドレッセンスを示すものは「ブルー・ムーンストーン」や「ロイヤルブルー・ムーンストーン」、虹色の顕著なものは「レインボー・ムーンストーン」など、ムーンストーンと関連付けた誤称が用いられます。
透明度の高いホワイト・ラブラドライトはブルー・ムーンストーンやペリステライトに似ていますが、角度によって青以外の色が見られた場合はラブラドライトであると言えます。

【Golden Labradorite】Myanmar
*ゴールデン・ラブラドライト*
「インドラライト(インドライト)」「インドラの残光」「インドラの矢尻」とも呼ばれる、ミャンマー産の渋い金色のラブラドライトを「ゴールデン・ラブラドライト」と呼びます。
写真の石は「ハニー・ラブラドライト」の名前がついていました。
通常のラブラドライトをそのまま黄色っぽくしたようなボディカラーに、しっかりラブラドレッセンスが見られます。

Bytownite】Mexico
*バイトウナイト/バイタウナイト*
「ゴールデン・ラブラドライト」と呼ばれる石のなかに、写真のように透き通ったレモン色のものがあります。
こちらは正確にはラブラドライトではなくバイトウナイト(亜灰長石)。
バイトウナイトの名前は、最初に産出されたカナダの首都オタワの旧称「バイタウン」に由来していますが、現在は主にメキシコ産が流通しているようです。
ラブラドライトと同じくアノーサイトとアルバイトの個溶体ですが、ラブラドライトに含まれるアルバイトの割合は30~50%であるのに対し、バイトウナイトに含まれるアルバイトは10~30%となり、この比率によって区別されています。
ラブラドレッセンスは示しません。


*ブルー、ピンク、グリーンのラブラドライト?*
シルバージュエリーに多く見られる、色とりどりのベースカラーにイリデッセンスを浮かべる「ムーンストーン」があります。
正体は、青やピンクや緑などの色紙を敷き込んだホワイト・ラブラドライト。
カボションタイプのホワイト・ラブラドライトのルースの下に色紙を重ね、裏側を完全に覆ったクローズド・セッティングにすることによって、正面からは色紙の色が透けて見え、更にラブラドレッセンスの虹色が浮かんで見えます。
ペリステライトが大量に流通するより以前は、ホワイトラブラドライトが「ブルームーンストーン」の代用品の主流でした。
その時期に、こうしたクローズド・セッティングで作られた「地色の青いブルー・ムーンストーン」が出回ったために、鉱物の知識のないシルバージュエリーショップや雑貨店では商品名に混乱が見られました。
2種類の異なる「ブルー・ムーンストーン」を区別するべく、青い色紙入りのホワイト・ラブラドライトを「ブルー・ムーンストーン」、通常のホワイト・ラブラドライトを「ムーンストーン」として扱うケースもあり、「ムーンストーン」の売場に2種類のホワイト・ラブラドライトが溢れ、本来のムーンストーンはほとんど姿を消してしまうということもありました。
現在も色紙入りのホワイト・ラブラドライトは「○○・ムーンストーン」や「レインボー・○○・ムーンストーン」の名前で流通していますが、本来のピンクや緑色のムーンストーンとは見た目にかなりの差があること、色紙の色が非常に鮮やかであること、ルースを横から見たときにホワイト・ラブラドライト本来の透明~白色しか見えないことから、簡単に見分けることが出来ます。
ペリステライト
【Peristerite】Tanzania

鉱物名:フェルスパー
宝石名:ペリステライト
英名:Peristerite
和名:-
モース硬度:6-6.5
劈開:あり(※詳細不明)
産地:スリランカ、タンザニア、ミャンマー、マリetc...

流通名:ペリステライト
     ピジョン・ストーン(ペリステリズムに関連)
     ブルー・ムーンストーン(誤称)
     アフリカンムーンストーン(誤称)
     カナダ・ムーンストーン(誤称)
     スリランカ・ムーンストーン(誤称)

処理:透明度の改善を目的とした透明剤含浸(一般的)


ペリステライトはフェルスパーグループのアルバイトとオリゴクレースの固溶体。
ラメラ構造を持ち、白~透明のボディカラーに、若干の真珠光沢のある白~青のシラーが見られます。
ペリステライト特有のシラーは、鳩の首が動く際に見られる光沢に似ていることから「ペリステリズム」と呼ばれています。
オーソクレースとアルバイトの固溶体であるムーンストーンに見た目が近く、青いシラーが多いことから、稀少な「ブルー・ムーンストーン」にあやかった誤称が用いられています。
本来の「ブルー・ムーンストーン」は産出量が非常に少なく高価なため、現在大量に流通している「ブルー・ムーンストーン」のほとんどはペリステライトかラブラドライトであると言えます。実際、鑑別結果では「ペリステライト」と判明したものであっても「ブルー・ムーンストーン」として販売するケースが多くあります。
また、近年はブルー・ムーンストーンだけでなく、白いシラーのムーンストーンの流通量も減少しているため、市場ではペリステライトがムーンストーンの代用品として定着しつつあるようです。


【Peristerite】Mali

*オレンジ色のペリステライト*
マリ共和国産の、青いシラーの出る「オレンジ・ムーンストーン」として購入した石。
アデュラレッセンスというよりペリステリズムっぽい…と思っていたところ、やはり鑑別では「ペリステライト」と出たとのこと。
しかし疑問に思うのは、オレンジ色にブルーシラーの「ムーンストーン」はこのタンブル一種類だけで、ルースやビーズなど他の形のものを一切見掛けないこと。
いくらレアとはいえ(レアだからこそ)安価なタンブルにだけ加工され、ルースのひとつも見掛けないというのは不自然なのでは?
宝石・鉱物関係のディーラーさん何軒かに訊ねてみるも、まったく見たことがない、染めではないか?との見解。
海外サイトなどを見ていると、ラブラドライトやペリステライトをショッキングピンク等に染めたらしきルースを目にしますし、確かに疑わしいところ。
しかし鑑別で出ないとしたら、放射線照射かもしれません。(オレンジ~赤の長石は照射の影響)
天然色なのか、処理石なのか。今のところ詳細不明です。
ムーンストーン-月長石
【Moonstone】Sri Lanka

鉱物名:フェルスパー
宝石名:ムーンストーン
英名:Moonstone
和名:月長石
モース硬度:6-6.5
劈開:明瞭
産地:スリランカ、インド、ミャンマーetc...

処理:-

流通名:ムーンストーン
     月長石
     ブルー・ムーンストーン(青いアデュラレッセンスを示す)
     ロイヤルブルー・ムーンストーン(特に青いアデュラレッセンスを示す)
     レインボー・ムーンストーン(ラブラドライトの誤称)
     アデュラリアン・ムーンストーン


ふわりと白い光を浮かべるムーンストーン。写真はスリランカ産のものです。
ムーンストーンは独立した鉱物ではなく、フェルスパーに属する2種類の鉱物(オーソクレースとアルバイト)から出来ています。
ムーンストーンの光はアデュラレッセンス(ムーンストーン特有のシラー)と呼ばれ、オーソクレースとアルバイトが交互に重なったラメラ構造によって生まれます。

【Green Moonstone】Madagascar

【Orange Moonstone】India

ムーンストーンには白、灰色、緑、オレンジ等の色がありますが、アデュラレッセンスの色はすべて白もしくは青色をしています。


【Moonstone】India

*アデュラレッセンスとアデュラリア*
アデュラレッセンスという言葉は、スイスアルプスのアデュラー山で発見された「アデュラリア(氷長石)」に因みます。
アデュラリアは白~透明のオーソクレースで、ムーンストーンと成分は近いのですが、ラメラ構造を持たないためシラーを示さないとのこと。
アルプスで産出する透明なオーソクレースは、ムーンストーンとの区別なく全て「アデュラリア」もしくはその変種として扱われており、ムーンストーンのシラーも「アデュラリア」の特殊効果として捉えられていたため、アデュラレッセンスと名付けられたようです。
もしアデュラリアに本当にシラーが出ないのであれば、「アデュラリア」や「アデュラリアン・ムーンストーン」という名前で流通している美しいシラーを示す石は、やはりアデュラリアではなく、アルプス産のムーンストーンである可能性があります。
それとも、シラーを示すアデュラリアも存在するということなのでしょうか?
「ムーンストーン」は区別が曖昧にされがちなだけに、真相は謎です。



*ブルー・ムーンストーンと類似石*
青い光を浮かべる「ブルー・ムーンストーン」として流通している石には、幾つかの種類があります。ごく一部は本来の「ブルー・ムーンストーン」ですが、ほとんどはムーンストーンとは別の類似石です。


【Blue Moonstone】Myanmar

・ブルー・ムーンストーン
青いアデュラレッセンスを示すムーンストーン。
白いシラーに比べてオーソクレースとアルバイトの層が薄く、レイリー散乱(空が青く見える仕組みと同じ)によって青い光が浮かびます。
スリランカ産・ミャンマー産の「ブルー・ムーンストーン」と、青みの特に強いインド産・マダガスカル産の「ロイヤルブルー・ムーンストーン」があります。
非常に稀少で高価なためほとんど流通しておらず、入手の可能性は極めて低いようです。
写真はミャンマー産ムーンストーンとして購入したルース。
青白いシラーが大変美しいのですが…真偽や如何に。



【Peristerite】Tanzania

ペリステライト
同じくフェルスパーグループのアルバイトとオリゴクレースから成る石。
ムーンストーンとは組成の違う別の石ですが、大変よく似ています。
シラーは白~青で、若干の真珠光沢があり、鳩の首が動いたときの光沢に似ていることから「ペリステリズム」と呼ばれています。
現在「ブルー・ムーンストーン」あるいは単に「ムーンストーン」として流通している石のうち、青~白いシラーを示すものはまずペリステライトと考えられます。



【White Labradorite】India

ホワイト・ラブラドライト
フェルスパーグループのアノーサイトとアルバイトから成るラブラドライトのうち、白~透明色のものが「ブルー・ムーンストーン」として流通しています。
ペリステライトが大量に流通するより以前は、ホワイトラブラドライトが「ブルームーンストーン」の主流でした。
鮮やかな青のラブラドレッセンスを示すものは「ロイヤルブルー・ムーンストーン」の代用品とされます。
ホワイトラブラドライトのシラーはラブラドレッセンスと呼ばれ、青、緑、赤、黄色などがあります。
青いシラーだけでは判別がつかなくとも、角度によって青以外の色が見られた場合は間違いなくラブラドライトであると言えます。
シトリン-黄水晶
シトリン バーント・アメシスト バーント・スモーキークォーツ
【Citrine】Gilgit, Pakistan
 
鉱物名:クォーツ
宝石名:シトリン
英名:Citrine
和名:黄水晶
モース硬度:7
劈開:なし
産地:ブラジル、インド、スコットランド、スイス、フランス、スペイン
    ドイツ、パキスタン、マダガスカル、チリ、ジンバブエ、日本etc...

処理:アメシスト加熱、スモーキー・クォーツ(または透明水晶)照射+加熱

流通名:シトリン
     黄水晶
     マディラ・シトリン(バーント・アメシスト)
     パルメィラ・シトリン(バーント・アメシスト)
     リオグランデ・シトリン(バーント・アメシスト)
     ビア・シトリン/ビア・クォーツ(バーント・スモーキークォーツ)
     シャンパン・シトリン/シャンパン・クォーツ(バーント・スモーキークォーツ)
     コニャック・シトリン/コニャック・クォーツ(バーント・スモーキークォーツ)
     レモン・シトリン/レモン・クォーツ(バーント・スモーキークォーツ)
     シトリン・トパーズ(誤称)
     リオグランデ・トパーズ(誤称)


シトロン(クエン樹)の果実の色に似た、黄色い水晶をシトリンと呼びます。
宝石としての人気は強く流通量もありますが、天然のシトリンは非常に稀少です。
現在流通しているシトリンの多くは2種類の加熱処理石と言われています。
「バーント・アメシスト」は、アメシストの紫色の発色要因である鉄イオンのFe4+とFe2+が、加熱によりFe3+に変化することで黄色く発色したもの。
「バーント・スモーキークォーツ」は、加熱によってアルミニウムイオンのAl4+がAl3+に変化することで色が薄くなり、鉄イオン(Fe3+)の黄色い発色が残ったもの。
スモーキークォーツ自体、アルミニウムイオンを含むクォーツに放射線を照射することで濃い茶~黒色に調整されたものが多く、照射と加熱の組み合わせによって様々な色調のシトリン(ビア・シトリン等)が作られています。

※鉄分の含有量が少ないスモーキークォーツは加熱しても黄色く発色しないため、
  透明に近い色になるそうです。
  
【Citrine】Brazil
 
バーント・アメシストのうち、赤味の強いものは「マディラ・シトリン」、明るい黄色は「パルメィラ・シトリン」と呼ばれます。
「ビア・シトリン(ビア・クォーツ)」「シャンパン・シトリン(シャンパン・クォーツ)」「コニャック・シトリン(コニャック・クォーツ)」「レモン・シトリン(レモン・クォーツ)※硫黄水晶とは別」などはバーント・スモーキークォーツのカラーバリエーションと言われています。
 
 
【Sherry Topaz】Utah, USA
 
*シトリンとトパーズ*
シトリンの誤称(フォールスネーム)に「トパーズ」の関連したものがあります。
かつてザクセン地方産のシェリーカラーのトパーズが流行した際、一部の宝石商がシトリンを黄色いトパーズと偽って流通させたことが発端のようです。
黄色いトパーズを指す「インペリアル・トパーズ」という言葉は、こういったシトリンとの区別のために生まれたもの。
現在も「シトリン・トパーズ」など、シトリンとトパーズを混同させる名前で流通しているケースがあるため注意が必要です。
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プロフィール
HN:
Yati
HP:
性別:
女性
職業:
アクセサリー作家
趣味:
写真、音楽、鉱物の蒐集、調べもの
自己紹介:
銀と鉱物でアクセサリーを作りつつ
宝飾業界のはじっこのほうで
いろいろ考えたり調べたり遊んだりしている
ただの石好きです。
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